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プティオルラブラン(プティ・オルラ・ブラン) インドネシアのスマトラ島の女神。 人類の祖を生み出した。 関連: バタルグル (バタル・グル、父) 別名: ボルデアクバルジャル (ボル・デアク・バルジャル) ボルデアクパルジャル (ボル・デアク・パルジャル)
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オルランド寮所属NPC 寮名の由来は不明。オルランドがいかなる人物か、教員でも知るものはほとんどいない。一番最近に作られた寮で、建物や設備が新しいのが特徴だという。 ※本シリーズではシャルリシア寮がオルランド寮よりもさらに新しく作られているため、建物や設備もシャルリシア寮のほうが新しい(規模は小さいが)。 カミュラ ファムリシア ヴァリアス・ヴァンガード カッツ・バルゲル アルヴィン・ケンドール ラリエット・バルゲル ジェス・ミン セイ →NPCステータス ナタフ →NPCステータス ハナ・タウル・イヴィシル →NPCステータス ルシャ・カザマギ カミュラ 種族:エルダナーン 性別:女性 メインクラス:プリースト サブクラス:バード 年齢:17(と主張) 所属学部:法学部 サブ学部:魔法学部(召喚) 所属部:選挙管理員会 登場話:第一話、第二話、第三話、第六話、第七話、第九話、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式PC。彼女のPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 オルランド寮プリフェクト。見た目は子供くらいにしか見えないが、冷静かつ知性的な判断力と指導力を持っており、オルランド寮内で彼女がプリフェクトをしていることに反対するものは誰もいない。かつて彼女たちがこのエルクレスト・カレッジを魔の手より救ってからはその傾向はさらに強まり、ファム、ヴァリアス、カッツらともども英雄として学内の生徒からは崇められているようだ。だが、そのような立場になっても彼女たちの学生生活は以前となんらかわることなく、彼女は今日もファムやヴァリアスと談笑し、カッツをおちょくって楽しい日々をおくっている。 第一話にて自分たちの前に現れたクレハとレシィに対し、カッツに攻撃を当てることができたら署名を渡すという条件を持ちかけ、彼らは2人がかかりでカッツにかかるも、それを一切とがめることなく笑顔で見届けていた。結果2回目のチャレンジでカッツに攻撃は命中し、彼女はカッツに落胆したかのような言葉を言いながら署名をおくったが、内心ではそういう結果になったことを喜んでいたようだ。 第二話ではミルカが呼び出されたプリフェクトの会合で登場しており、(シャルロッテを除く)その場のプリフェクトメンバーの意思を統括して表し、ミルカを歓迎した。 第三話ではハートフルアンブレラ争奪戦を企画するシリルに対し一度は反論を持ちかけるも、最終的には確かに面白そうであると納得したのか、彼の提案にうなずいていた。 ちなみに、実はこの時彼女はファムとヴァリアスをこの争奪戦に参加させよう、という目論見があったのもあって協力を了解したのであるが、ヴァリアスが争奪戦当日、補修にひっかかってしまっていたため、そうはならなかったのだという説がある。 第六話ではシャルリシア寮歓待パーティーに出席し、祝いの言葉(一瞬便利屋とかいいかけていたが)を述べるとともに、このパーティーが開かれたことが面白くないらしいシャルロッテに慣れた様子で応対していた。その後、学園七不思議の謎を追い求めるミトに、七不思議の中で彼女自身が密接にかかわっていた内容である、「学校を徘徊する幽霊騎士」についてを、今は自身のファミリアとなった蛇と共に語り、その件についての追及を終わらせたのであった。なお、この「学園を徘徊する幽霊騎士」についての顛末自体は、アリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 第七話ではキャンプ実習にオルランド寮班として参加しており、そこでもプリフェクトとしての手腕を発揮し、自らの班だけでなく時には生徒たち全体をもまとめあげる働きをしていたようだ。レイスが森の中に走り去って戻ってこなかったときも、彼女はいち早く自らの班を探索隊として組織し森に繰り出しており、緊急時における判断と対応の素早さを垣間見せた。 第九話ではオルランド寮の遺跡探索実習に当然参加しており、いつもどおりのすました態度をみせながらも、セイのことはそれなりに気にかけていたようで、もう来ないのではないかと言われたセイが密かにやってきていることを一番に気づき、それを歓迎した。 その後は一度セイとパーティーを組むなどもしており、最後のセイからの感謝の言葉を受けた時も、優しく慈愛あふれる笑顔でそれを聞き届けていた。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れていたが、ナタフの所属するオルランド寮のプリフェクトとして、なぜかシャルリシア寮生達と同時期に消え、そして今傷だらけで戻ってきたナタフとシズナにもいったい何があったのかということは彼女にとって確認しておかなければならないことであった。しかし、彼女はそこでむしろ、ナタフとシズナがシャルリシア寮生同様の「被害者」であるという考えは安易に持たず、「二人は信頼できるのかどうか」をシャルリシア寮生達に問いただした……のであるが、ミルカとミトが信頼できると即答した後、ほとんど追及をしなかった点を見るに、どうやらまるでシャルリシア寮生達を守って帰還したかのような二人のことを本気で警戒したわけではなかったようである。 そして様々なことを語らいあう中で、他の生徒たち動揺に、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知ることになるが、すでに一つの危機をその身で乗り越えた経験のある彼女はそれに動揺することはなく、ただ、今回脅威に立ち向かっていかなければならなくなった生徒達、シャルリシア寮生に、自分を信じること、という教訓を伝え、信頼するのみであった。 ファムリシア 種族:ヒューリン 性別:女性 メインクラス:ウィザード サブクラス:セージ 年齢:15 所属学部:魔法学部(精霊) サブ学部:法学部 所属部:図書委員会 登場話:第一話、第三話、第五話、第六話、第七話、第九話、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式PC。彼女のPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 風の魔法を操る魔道士の少女。心優しい性格で、できる限り人の力になろうとする。愛称は「ファム」 かつては頼りなくも見えた彼女の魔法、そして何より彼女自身は、エルクレスト・カレッジにかつておこった事件をヴァリアス、カミュラ、カッツといった仲間たちと共に乗り越えていったことにより見違えるほどに成長し、今では学内でもかなり高水準の実力を持つ魔道士だといえるほどになった。また、その一件は学生たちにとって、彼女たちを英雄として崇める原因となったが、彼女たちの生活は以前となんら変わることはない。だから彼女は今日も、立派な魔道士を目指して勉強中なのだ。 第一話において、試験開始直後の4人に出会い、事情を聞いた彼女は、即彼らの力になることを決め、署名をした。その後も、プリフェクトの署名の価値が高いということを聞いて、ヴァリアス、ラリエットと共にクレハとレシィをカミュラ達のところまで案内するなど、心の底から4人の合格を望んでいたようだ。 第三話においては、ハートフルアンブレラ争奪戦「恋の番人」の一人として登場した。その名称が気に入っているらしく、番人の一人であることを嬉しそうに伝え、またシャルリシア寮の一行に会えた事にも喜びを表しつつ、一行に認め印を贈るのだった。 なお、この時彼女が恋の番人の一人として抜擢されていたことについては、カミュラのお世話によって彼女とヴァリアスが本来争奪戦に参加するはずであったことの名残なのだという説があるが、定かではない。 第五話でも、シャルリシア寮に対しての好意と、その人のよさを全面的に見せ、同じ委員会の所属とはいえ、かつてはお世辞にも好印象とはいえなかったはずのラピスの帰還と、彼女がシャルリシア寮に入寮したことについてを喜び、積極的にラピスへ話題を振る姿が見えた。その後、ドゥーラ登場の際も、それを図書館棟から見ていた一員として、ラピス、ネフィと共にその場に居合わせていたが、ドゥーラの横柄な態度を眺めていてもなお、「実はいい人かもしれないですし」とすんなり発言したことによって、ネフィに感心される一方、少し心配されていたのであった。 第六話では、シャルリシア寮の歓待パーティーに、同じ図書委員会の仲間と共に現れており、まるで自分たちのことのようにその開催を喜んで、ラピスに乾杯を持ち掛けていた。その後、学園七不思議の謎を追い求めるラピスに訪れられる形で再登場しており、「学校を徘徊する幽霊騎士」について、カミュラに聞いたほうがよいとラピスに伝えた。また、美術品の作成の協力要請にも、快く答えている。 第七話では、キャンプ実習にオルランド寮班の一員として参加しており、その天真爛漫さとやさしさでキャンプ実習を大いに楽しみ、そして周囲を楽しませてもいたようだ。レイスが戻ってこなかったときは、オルランド寮班の中では真っ先に探しに行くことを進言していたようだ。結果、事件自体はシャルリシア寮が解決するも、同じく班の一員であるセイが魔力をコントロールできなかったことでドゥーラに罵倒される事件が起こった際には、彼女は必死にセイが自分たちの仲間であり、だからこそ支えあっていくべきなのだと主張していた。ちなみに、社交性に乏しいセイが班を組んでキャンプ実習に参加できていたのは、彼女がセイを誘ったからだったりする。 第九話ではオルランド寮の遺跡探索実習に参加する中、やはり非常にセイのことを心配しており、それゆえにセイが実習に姿を現したときは喜びを笑顔いっぱいで表現し、迎え入れていた。 そしてすべてが終わった後の、セイから感謝の言葉を受けた時には、彼女は優しくセイの力をとって、自分たちは友達であり、どんな時でも傍にいて支え合うことができるということを語った。これはセイにとっては思わず涙ぐんでしまった言葉であり、ドゥーラも思わず、その言葉を反芻するのだった。 セイが周囲の人間を信じることができたことは、ミルカをはじめとしたシャルリシア寮生達の働きが大きかったことは間違いないが、同じ寮の仲間として、彼女をはじめとしたオルランド寮の人々がセイに優しく、理解をもって接しようとしたことも、セイが自分自身の強さを手に入れることができた要因であることに違いはないだろう。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 だが、仲間や生徒の想いを身に背負い、すでに一度、学園と自身の危機を救った彼女は、脅威に対して立ち向かっていくことの意味をよく知っている。そして、身に持って生れてしまった宿命に、決着をつけることの重大さも。 だから、彼女は自分達と同じく、自身の宿命に立ち向かうために旅立ちを、そして戦うことを決意したシャルリシア寮生達を信じて送り出すことを決め、そのことをシャルリシア寮生だけでなく、その場にいた全員へと説いたのである。そして、彼女の意思を受けたこともあり、生徒達それぞれがそれぞれの思いでシャルリシア寮生の旅立ちを見送るための言葉を告げる中、その最後を務め、皆が信じ、待っているということを伝えるのであった。 ヴァリアス・ヴァンガード 種族:ヒューリン 性別:男性 メインクラス:ウォーロード サブクラス:サムライ 年齢:15 所属学部:使徒学部(戦闘) サブ学部:使徒学部(探索) 所属部:射撃部 登場話:第一話、第二話、第七話、第九話、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式PC。彼のPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 龍の血を引くという少年。まっすぐで、正義感にあふれた心を持つ。また、エルクレスト・カレッジにおきたかつての事件を乗り越えたことにより鍛えられた優れた戦闘技術を持ち、また彼の槍は距離の遠近、数の多少にかかわらず敵を打ち倒すという。もはやこの学園で彼に勝るものはどれほどいるのかもわからないほどだ。 エルクレスト・カレッジでおきた事件解決以降、ファム、カミュラ、カッツらと同じく、学園の英雄と呼ばれるようになった彼だが、その生活は以前となんら変わることはない。彼の槍は今でも、護るべきものを守るために振るわれるものであり、そしてその技の冴えは、今もなお日に増して増しつつあるのだ。 第一話にて、試験開始直後の4人に出会い、彼らに署名をするというファムに同意し、彼もまた署名を送る。さらに、一種の悪友といった間柄であるアルヴィンに協力を促し、その後は署名の価値が高いカミュラのところまで、クレハとレシィをファムとラリエットと共に案内するなど、彼ら4人の合格を思っての行動をしていた。 第二話では、寮内では彼と同室であるカッツのベッドの上に眷属の花が咲いてしまっていたが、引く事も花だけを切り取ることもできなかったので、結局床の上で寝ることになったカッツを不憫に思っていた。そんな中を、その花を刈り取りにきたというレシィに訪れられたので、彼は快くレシィを部屋に通し、また、他の眷属の花を探しているレシィに、学内の情報の事ならアルヴィンに聞くといいと教えるのだった。 第七話ではキャンプ実習にオルランド寮班の一員として参加しており、ファムらと共に一学生として実習を満喫していたようであったが、レイスが失踪した際には他のメンバー以上に勇ましく乗りだし、その後セイがドゥーラに罵倒された際にも激しく憤り、セイのことをかばおうとするなど、一学生として以上の勇気と正義感は健在であることがうかがえた。 ……しかし、その一方で健全かつやんちゃ盛りの男子学生であることも事実であり、クレハに温泉覗きのメンバーとして誘われ、そしてそれを承諾していた。彼らは強い結束力をもって必ずや悲願を達さんとしていたのだが、クレハがミルカやラピスらの迎撃にあえなく散った時には2秒で結束を捨て、その場から逃げ出す選択をしていた。……その後のことは定かではないが、ちょうどその後ごろから、オルランド寮ではカミュラにやけにこき使われる彼の姿が頻繁に目撃されるようになったらしい。 第九話ではもちろんオルランド寮での遺跡探索実習に参加しており、セイの話題になった時、なんとかセイの力になってやりたいものだと真剣に語っていたが、その後セイが実習に参加しに現れたので、それを喜びをもって迎えた。 すべてが終わった後には、セイが感謝の言葉を全員に言った時は、ファムの自分たちは友達なのだ、という言葉に対し、願わなければ一緒にいられないような間柄ではない、ということを付けたし、セイを喜ばせたのだった。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 それに生徒達の多くが少なからずのショックを受け言葉を失うのであったが、そこにファムが声をあげ、シャルリシア寮生達を希望と信じ、見送ってあげようという主張をした際に、やはり彼女との絆もあってか真っ先にそれに賛同し、また、エンザがミルカ達をシャルリシア寮に集めたのが、自分達との絆を育ませるためだったというのなら、きっと自分たちにできることも、この先何かあるはずだと語って、その場にいた生徒たちの気持ちを一つにまとめる助けとなった。そして最後には力強くシャルリシア寮生達を、希望を信じると宣言したのであった。 カッツ・バルゲル 種族:ヒューリン(ハーフ:ネヴァーフ) 性別:男性 メインクラス:エクスプローラー サブクラス:ウォーリア 年齢:18 所属学部:使徒学部(探索) サブ学部:使徒学部(戦闘) 所属部:陸上部 登場話:第一話、第二話、第四話、第六話、第七話、第九話、第十話B、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式PC。彼のPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 カミュラのお付きとして認識されている、どうにも幸薄い青年。しかし、その戦闘技術や探索の技は優れたもので、攻撃に防御に回避にと隙がなく、ラリエットにとっては立派なお兄ちゃんであり、学内の生徒たち、特にヴァリアス初めとするオルランド生達からしても頼れるアニキである。(ただしトラップ解除だけは禁句。) エルクレスト・カレッジを襲った事件を解決して以来、ファム、ヴァリアス、カミュラらと共に学園の英雄と呼ばれるようになった彼だが、結局の所イマイチ損な役回りを回されてしまう幸薄さは相変わらずのようで、きっとこれからもカミュラの傍にいる限り彼の立場は変わることはないだろう。……そういえば、以前単位がヤバいってことがあった気がするが……果たして今は……? 第一話にてカミュラのもとを訪れたクレハとレシィをカミュラが認め、署名をするための条件として、彼ら二人が3回攻撃し、カッツに攻撃を当てられるかどうかという条件をカミュラに出され、彼には何の得も無いながらそれを受けざるをえなくなってしまう。しかもクレハとレシィの完全二人がかりでかかられ抗議の声を上げそうになるも、カミュラからは男らしくないと言われ、ファム達もクレハ達の合格を望んでいるという味方のいない状況におちいり、結局2回目にして攻撃を当てられてしまう。そのことによりカミュラともども彼は署名を渡す事になり、結果的には別に何か損したわけではないのだが、彼は理不尽なものを感じずにはいられないのだった。 第二話では、眷属の花がよりにもよって自室のベッドの上に咲いてしまった事により、花が邪魔でベッドに寝ることができない状況になり、しかたなく一夜を床で過ごすという不憫な目にあっていた。そんなこともあり、その花を刈り取ることができるというレシィに訪れられた際には、それをいたく歓迎するのだった。 第四話においては、部長の正体を探りに行くというクレハに対して、「どうにもならない状況は逆らわずに受け入れるしかない」というありがたい(?)アドバイスを伝え、送り出す姿を見せていた。 第六話においては、陸上部の仲間と共にシャルリシア寮の歓待パーティーに出席する……ところで、なんとラクダ(ハクバ)と一緒にパーティーに出席しようとしていたミトにつかまり「これはどういうことなんですか!」という、彼には全く責のない怒りをぶつけられるという災難に会い、困りながらも一応受け答えをせざるを得ない、ということになっていた。結局この件についてはハクバが自分の意志で帰ってしまったことにより決着し、彼は無事パーティーに出席して、クレハの元へ祝いに行くこともできていたが、その騒ぎの中で、部長によって明日のシゴキがほぼ確定してしまったクレハに対しては、またも「世の中にはなるようにしかならないことがある」と、ありがたい(??)言葉を伝えるのであった。 第七話ではキャンプ実習にオルランド寮班の一人として出席しており、それを満喫し……てはいたのだが、やはりというべきか各レクリエーションにおいてはカミュラの手となり足となる活躍を(半ば強制的に)させられており、場所がどこだろうと彼の立場は変わらないということを見る者に悟らせたという。のちに、森の中でセイがドゥーラに罵倒され、今度はセイが逃げ出してしまった際には、咄嗟にカミュラから追うことを指示され、それに従うも、彼が追いついたときにはすでにセイは天幕の中でさらに引きこもっている状態であり、手の出しようがなかったようだ。 第九話ではオルランド寮の遺跡探索実習に参加しており、他のみんなと同じく、先の事件以降姿を見せないセイを心配しつつも、その姿を見た時には、ハナなどに抱き付かれるセイをほほえましく見て歓迎し(ていたのだが何故かカミュラにセクハラはよしてくださいねなどといわれ)ており、最後に全ての問題を乗り越えたセイが自分たちに感謝の願いをかけてきた時も、その気持ちをうけとめ、笑みをもって頷いていた。 その後、さらに第十話Bへの導入部にて、部長が戻ってこない旅に出るかもしれないという話を聞かされる形で再登場し、それを聞いて喜ぶ様子を見せるアーゼスをよそに、あの部長がそんなことを言いだすということに、いいようのない不安感を感じるという意見を述べるのであった。彼とラリエットのその疑問はアーゼスにも伝わり、その場にいた4人は部長に何かよほどの危機が迫っているのではないかという危険な予感を感じずにはいられなかったが、最終的にはクレハの意見に頷いて、部長の言った通り代わりに部長をたてるとしたら、誰がするべきかという話を始めるのだった。 だが、その後第十話Bにおいて部長がクレハと共に無事戻ってきたことでその必要はなくなり、陸上部にはいつもどおりの部員の阿鼻叫喚の日々が戻ってくることとなった。以前よりも過酷さを増したようにすら思える部長の課すごうも……もとい訓練が自分の身へ及ぼす危険さに彼は寒気すら感じていたようだが、それでも、部長がちゃんと陸上部に戻ってきてくれたことが安心できるというラリエットの言葉には同意していた。さすが、もともと理不尽になれているだけのことはある。……もっとも、そのような話をしていたことを部長に発見され、走り込みをさせられる羽目になっていたのだが。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 幸薄い故にいまいち頼りなく見えることもあるが、その実非常に仲間や他人を思いやる性格である彼にとって、得体のしれない自分の中のものと戦っていかなければいけないシャルリシア寮生のことを思うと辛いようで、自分もまたかつて大きな苦難を受けた身であるにもかかわらず、可能ならばかわってやりたいとまで口にしていた。しかし、その一方で彼は人それぞれには、やり遂げなければならないことというものがあるということも知っており、今はただシャルリシア寮生を信じ、送り出す覚悟を決めていたのだった。 アルヴィン・ケンドール 種族:ヒューリン 性別:男性 メインクラス:アコライト サブクラス:バード 年齢:15 所属学部:使徒学部(探索) サブ学部:神学部 所属部:マクール祭実行委員会 登場話:第一話、第二話、第六話、第九話、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式NPC。彼のNPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。また、エルクレスト学園ガイドP29には彼の詳しい紹介が記述されている。 ヴァリアスとは悪友とでもいうような間柄で、学内では情報通で通る少年。明るく陽気な性格でどこか憎めず、人気者であるともいっていいだろう。彼の情報を頼りにする生徒は多く、その度に彼は賃金を要請してくるが、その後結局お金を取らずに教えてくれる事が多いので、案外優しい人物なのかもしれない。 ある日、ひょんなことから仕え人を欲しているニンジャ(ルシャ)を自らの舎弟に置いたことで、彼の学内情報網はさらに広まりをみせ、もはやとどまるところを知らない勢いだ。 第一話では入試生のため、学内指定のローブを着ていない4人にとまどうファム達に、彼ら4人が特別入試生ではないかという説明をし、そうとわかった途端に協力する気になってしまったファムを止めようとするが、結局の所彼もヴァリアス達に押し切られ、協力することになる。また、そこでルシャに彼らに署名活動を効率よく行なうための情報を集めるように指示するなど、第一試験の成功に大きく関わった人物であるということもできるか。 第二話では学内で眷属の花を探すレシィにその情報を求めた訪れられたので、その情報探索をサポートし、効率的に情報を集める手助けを行なってくれており、第六話では学園七不思議の謎を追い求めるレシィに訪れられた際、その多岐にわたる情報力を生かし、かなり多くの情報を彼に伝えていたなど、シャルリシア寮の依頼達成の上でもその力となってくれている人物である。 第九話ではオルランド寮の遺跡探索実習に通常通り参加しており、セイのことを必要以上に気にする他のオルランド寮生と比べると、比較的斜に構えた態度を見せていたが、セイのことをないがしろに思っていたというわけではなく、セイがその姿を現したときは、彼の舎弟であるルシャと共に笑みを浮かべていた。 最後に全てが終わり、皆の前にセイが現れた時にもその場に来ており、セイの隣人でいてほしい、という願いに、それでは堅苦しくないか、と言葉を添えたり、セイのことを色々聞く話会を開くという流れになった時は笑いながらもそれに嬉々と混ざろうとしており、やはり彼もなんだかんだ仲間思いであるようだ。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 しかし、もともとヴァリアスら隣人が大きな事件に巻き込まれていた彼にとっては、今回もさほど違いはなく、ただ信じて送り出すのみと感じていたようだ。その相手がシャルリシア寮生達ならば自分が信じるものとして不足もなく、彼は笑って、シャルリシア寮生へ帰還を願っていたのだった。 ラリエット・バルゲル 種族:ヒューリン(ハーフ:ネヴァーフ) 性別:女性 メインクラス:シーフ サブクラス:ウォーリア 年齢:15 所属学部:使徒学部(探索) サブ学部:使徒学部(戦闘) 所属部:陸上部 登場話:第一話、第四話、第六話、第七話、第九話、第十話B、第十三話、第十六話 アリアンロッド公式NPC。彼女のNPCとしての活躍はアリアンロッド・リプレイ・ハートフルを参照。 カッツ・バルゲルの妹で、かつては苦難の運命に身を投じていたが、カッツらの尽力のかいあり、今では立派な冒険者になるため勉学に励むエルクレスト・カレッジの一学生として、平和な日々を過ごしている。何故か四面楚歌的な状況になってしまいやすいカッツにとってはほぼ唯一、いつだって信頼できる健気な味方なのだが、兄になつく一方で、ファム、ヴァリアス、カミュラ達のことも深く信頼しているようなので、結局の所カッツの状況を変えてはくれる人物ではないか。 第一話ではファムたちと一緒に4人に対面し、カミュラが課した「試験」後クレハとレシィに攻撃を当てられてどこか沈んでいる兄に励ましの言葉を送っていた。 第四話では部長の正体をクレハが探ろうとしているという噂を聞いて、興味津々という様子でクレハに期待のまなざしを向けていた。彼女のこの行動がクレハの中である種死地に飛び込む活動力としては大きな要因であったであろうと予測できる。なお、その後クレハが帰ってきて、詳しい事情を語ろうとしなかったことについては、クレハは失敗し、口にはできないような目にあったのだと推測して、あえて何も聞けないでいるらしい。 第六話においては、シャルリシア寮の歓待パーティーに、同じ陸上部の仲間と一緒に出席し、クレハのところでそれを祝っていたのだが、部長が明日クレハに更なるハードメニューを用意していると告げた時には、思わずご愁傷様と声をあげてしまうのであった。 第七話では、兄たちと共にオルランド寮班の一員としてキャンプ実習に参加し、それを楽しんでいたが、その最後で、同じ寮の仲間であるセイがドゥーラに罵倒されてしまったことは、優しい彼女の心に悲しみを植え付けたと言っていいだろう。 第九話ではオルランド寮の遺跡探索実習に参加しており、先の件以来姿を現さなくなったセイをやはり心配していたが、そこに現れてくれたセイに喜んで、自分より先に抱きついていったハナについで抱き付こうとするなど、その嬉しさを全身で表していた。 最後にセイがすべてを終わらせて遺跡の新区画から出てきたときも、彼女は当然他のみんなと一緒にそこへ来ており、セイの感謝の言葉を受け止め、そして隣人という他人行儀な関係ではないことを、声高に叫んだのだった。 その後、第十話Bへの導入において再度登場し、クレハから部長が戻ってこれないかもしれない旅に出るという話を聞いたときには、仲間意識が強く優しい彼女らしく、それをただの旅とは思えないという見解を真っ先に示していた。兄のカッツも彼女の見解に同意したことで、 link_anchor(アーゼス ジェセン,pageid=20){アーゼス}含め4人の中では部長に対する心配が深まり、この後のクレハの行動に対する一因となったのかもしれない。 第十話Bでは彼女の心配のかいあってか、部長はクレハと共に無事帰還し、いつも以上の過酷さで陸上部を鍛えて(強調)いた。そんな様子を見て彼女もさすがに身の危険は感じずにはいられなかったようではあるが、先の時にも第一に部長の身を案じていた優しさは本物であり、ここでも一番に、それでも部長がこうしていてくれることに安心できる、と内心を語り、クレハ、カッツ、アーゼスからの同意を得ていた。……その後、部長曰くの「おしゃべり」をしていたということで走り込みをさせられてしまっていたが…… 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 学園のため、仲間のため、妹の自分のために、古の民にすら立ち向かい、大きな苦難を受けた兄を持つ彼女にとって、今回も、自身が親しく信頼を持っている相手であるシャルリシア寮生達が危機に身を投じなければいけないということは、辛いことだった。 しかし、その経験は、ただそれを悲しんでいるだけでも何も変わらないということも彼女に教えてくれている。だから今、自分がするべきことは、ファムのいうとおり、悲しんでシャルリシア寮生達の足を引きとめてしまうことではなく、彼女達へ希望をよせ、するべきことを疑いなく行えるようにしてあげることだと気づき、彼女は泣きだしそうになる自分をこらえつつも、他の生徒たち同様、シャルリシア寮生達を送り出すのであった。 ジェス・ミン 種族:ヒューリン 性別:女性 メインクラス:シーフ サブクラス:セージ 年齢:18歳 所属学部:法学部 サブ学部:錬金術学部 所属部:オカルト研究部(部長) 登場話:第一話、第二話 アリアンロッド公式NPC。彼女のNPCとしての活躍については、学園ガイドP42からのシナリオ集を参照。 非常にのんびりした性格で、笑顔を絶やさない穏やかな女性であるが、オカルト的なものの話になるとまるで人が変わったかのようになるという。 第一話にてミルカに出会い、今年度の新入部員の数に不満を感じていた彼女は、オカルト研究部に入るならそれだけで署名を渡すと提案するが、それを約束する事はできないというミルカにはっきりと断られる。それならと、その時彼女が読んでいたオカルト本に魔法的な鍵がかけられていたので、それを解除できるなら改めて署名を渡すと彼女が言ったところ、ミルカはこれには快く応じる。そしてなんのこともないとばかりに、ミルカによってあっさりとかれた鍵を見て、彼女はミルカを褒め称えると共に、オカルト研究部に入ってくれないのが惜しいといいながらも署名を渡すのだった。 第二話ではオカルト研究部の部室に眷属の花が咲いてしまっており、何か心霊現象的なことなのではないかと期待を持って花を観察していたようだが、そこをレシィに訪れられたことにより、どちらかというと魔術的なものであると知ってがっかりしてしまったようで、花を未練なくレシィに差し出すのだった。 セイ 種族:フェイ(ヴァルキリー) 性別:女性 メインクラス:ウィザード サブクラス:ルイネーター 年齢:15歳 所属学部:魔法学部(精霊) サブ学部:神学部 所属部:遺跡探索部 登場話:第五話、第六話、第七話、第九話、第十話A、第十一話、第十二話、第十三話、第十六話 →NPCステータス 第五話で登場した少女。実は今までもこの学園内にはいたのだが、彼女の保護者となっているラグルの影にいつも隠れていたため、学内でも彼女の存在を知るものは一部の教員程度となっていた。 かなり暗い……というか沈んだ性格をしており、あまり物事に興味を示そうとせず、自分のことを蔑んでいるような様子すら見られるが、これは彼女の過去に原因があるようだ。 彼女はアースランの生まれで、そこでやはりグローヴィスの戦士として戦っていた母親に育てられていたのだが、ある時、セイの体は瘴気に飲まれ、彼女はそれを力とするルイネーターとして目覚めてしまった。その力は強力であったものの、セイは突如得たその力を上手く使いこなすことが出来ず、このままでは彼女自身が瘴気に飲み込まれ、邪神の眷属となってしまうのではないかということが危険視された。 味方となるどころか強力な敵になりえてしまうというセイの状況は、彼女の母親のみならず、グローヴィスの陣営をも悩ませていた。そこで、セイは戦場から切り離されることとなり、彼女の母とは旧知の間柄であったという、ラグルにその身を保護されたのであった。 しかしこの時、瘴気の力を使いこなせないがゆえに戦場から引き離されたということは、彼女自身に「自分は役立たずである」という認識を強く埋め込むこととなってしまった。ラグルはそんな彼女をしばらくはそっと置いておくことにしていたのだが、時がたつごとにむしろ、全てに無気力になっていっているようなセイの様子を見てこのままではいけないと判断したらしく、彼女を強制的に人の輪に入れる……エルクレスト・カレッジの学生としてすごさせることにした。 そういった事情があったため、実は彼女が所属している学部は、彼女の意思ではなくラグルによって決められたものであったりする。突如ラグルに人社会への参加を強制された彼女は内心非常に戸惑っていたようだが…… 第六話では、そのラグルから人社会に溶け込む一環として、今度開催されるシャルリシア寮の歓待パーティーに参加させてもらうお願いをしてきなさいと言われ、戸惑いながらもしぶしぶシャルリシア寮の寮前までやってきていた。しかし、そこで急に魚を追い求めているとあまりに突飛なことを主張し始めるミトに絡まれてしまい、困惑の渦中に放り込まれるも、そこをその時最初に彼女を発見していた人物であるミルカ(とミトをテレポートで輸送したラピスに助けられ、優しく、そして落ち着いて話をしてくれるミルカに彼女は若干ながらも心のよりどころを見つけることとなる。そこでパーティーへの出席をミルカから許された(本来許す必要もないのだが)彼女はその後、やはりミルカを頼りに歓待パーティーの会場にも現れ、人がたくさんいるので怖がっているとミルカに話す……ところを横から、同じフェイの同期入学生と聞いてはいながら、なかなかセイの姿を見かけることができないでいたレイスに、これが好機とばかりに飛びつかれ、さらに部活に入っていないことを聞き出されると、ほぼ強引にレイスの所属する遺跡探索部入りを決められることとなってしまったのである。彼女にとっては、目を回すばかりの出来事であった。 第七話においても、相変わらず彼女は寮内では孤立した存在であったが、そんな彼女にファムは声をかけ、今度オルランド寮のみんなと一緒にキャンプ実習に参加しようと誘われる。突然の提案に彼女はすぐには断ることも頷くこともできなかったが、ファムの明るい笑顔に警戒心を薄めたのか、結局のところ彼女達とキャンプ実習に参加することを決めたのだった。(そのせいで、あとでミルカに誘われた時は断らなければいけなくなったのだが) そして来るキャンプ実習。ファムをはじめとしたオルランド寮班のメンバーはみな彼女に対して優しく、彼女は戸惑いながらも、共同作業を通じて少しずつミルカやラグル以外の人々に打ち解けつつあるようだった。そしてキャンプ最後の夜、彼女にとっては(一応)部活の先輩となるレイスが森の中に失踪してしまったことに慌てた彼女は、ファムやカミュラが結成した探索隊に加わり、レイスを探していた。結果的にレイスを助けたのは彼女達ではなくシャルリシア班の一行だったが、とにもかくにもレイスと、そしてそれを助けに行ったミルカが無事であったことに彼女は安堵する。 だが、その時突如、何かがミルカを襲おうとしていたのに気付いた彼女はとっさにそれを撃退するも、正確なコントロールを欠いていたその魔力は守るはずであったミルカをも傷つけてしまった。それだけでなく、この光景を見られていたドゥーラによって自身がルイネーターであり、しかもその力の制御が不安定であるという、彼女にとっての心の傷そのものを指摘されたこと、そしてそれが、守りたい人まで傷つけてしまった事実に彼女は強いショックを受け、その場から走り去っていってしまった。彼女はその後レイスと同じように失踪したわけではなく、ちゃんと天幕に帰ってはいたのだが、彼女はその中で毛布に深々とくるまって誰とも話をしようとはせず、それはキャンプが終わり、こちらに帰ってきてからもいまだに同じであるという…… そして第九話ではシナリオのメインパーソンとなり、ついに彼女が抱え続けていた瘴気の力の問題に立ち向かい、そして多くの者に支えられ、それを打ち破ることができたのだった。事の顛末は第九話参照。 彼女の問題は、ある一つの事だった。それは、瘴気の力におびえることで、全てを信じられなくなっていたことだ。 瘴気の力が扱えないことで、それを暴走させてしまうのではないかと自分のことを信じられず、そんな自分でいるせいで、誰も自分が傍にいることなど望んではくれないのだと思ってしまい、他人を信じることができない(ラグルが自分を傍にいおいてくれたのも、母親の知り合いであることと、ラグル自体が少々の力の暴走では傷つかない存在であることが大きいのだと思っている)。その結果、彼女は全てのよりどころをなくしており、瘴気の力と言う大きなものを受け止めることができなかったのだ。 だが、ミルカ達との、そしてみんなとの触れ合いを経たことによって、例えそんな自分でも、自分自身にそれをどうにかしていきたいという気持ちさえあれば、手を差し伸べてくれる人たちもいるということを彼女は知り、そしていくつかの事件と時間をかけたが、それを少しずつ、根本的に理解していくことができた。そして自分が瘴気にとらわれ、あたりを攻撃する存在となってしまった時、それに傷つきながらも自分を救ってくれたミルカ達の姿が、彼女を今までの自分から解き放ったのである。 自分一人の時ではできなかった瘴気の力と向き合うということが、今の彼女にはできるようになった。それは、今の自分には、支えてくれる人が確かにいるということを彼女が確かに信じられるようになり、それが自分自身を信じることにもつながったからだ。自分の支えが確かであるということを信じた彼女の心は、以前よりも遥かに強固な意思をもって、瘴気の力をあやつることができるようになった。 これらのことがあったことで、ミルカにはいつか、この恩を返さねばならないと心に決めているらしい。 ずっとラグルの傍にだけいたせいか、会話慣れしておらず、人見知りで恥ずかしがりなような様子を見せる彼女ではあるが、今回の件で敵を目の前にした時の言動や行動はかなり勇ましく、普段とのギャップを感じさせるものであった。しかし、どうやらむしろそちらが素であるらしく、生まれながらに神の戦士であったというだけのことはあるようだ。これからは、そんな彼女の姿がよく見られるようになるかもしれない。 第十話Aでは、ミルカがキルディアに向かうことをラグルに報告に来たところに居合わせていたが、今回キルディアに呼ばれたのがミルカ、レシィ、ラピスそ3人だけであったことと、自分の授業などの事情も重なり、以前ミルカを助けると言っておきながら力になれないことを申し訳なく思っていたが、いつものミルカの包容力のある答えに安心し、ついてはいけなくても応援するとミルカを勇気づけようとする姿が見られた。 第十一話ではミルカがマルティンとマゼットの二人と共にエルクレスト祭のことについて話し合っているところにやってきており、一生懸命存在アピールしつつ是非手伝わせてほしいとミルカに申し出ていた。この時マゼットに「大丈夫なのか」と疑いをかけられたのだが、少し不機嫌な顔をしながらちゃんと自分にも長所はあるのだと言い返しており、多少なり対人能力が(彼女の素が出てくるという意味で)強化されつつあると思われた。……もっとも、マゼットの心配が身体への負担的な意味であったことを知ると、威勢は衰えていたのだが。 その後、その知性を主な武器に、シャルリシア寮生達にとって十分な助けとなったようである。 続いて第十二話では、即席チームを組んで闘技大会の予行に出場することとなったシャルリシア寮生達よりチームの一員に選ばれており、ミトとレシィが属するチームの一員として参加し、作戦通りミトが敵を集めたところに、メギアムの忍術連打にすら引けを取らないほどの強力、かつまさに神の戦士というべき容赦ない闇魔術を叩き込んで勝負を決めるといった活躍をして見せた。 その後、チーム全勝の祝いをするべく他のメンバー同様シャルリシア寮生と共に一室にいたが、ダバランがアルゼオの危機に際してシャルリシア寮生に救援を求めに来た際、ミルカに事情の説明を求めて食い下がるなど、できる限りシャルリシア寮生達の力に今度こそなろうとしているのが見受けられたのだが、さすがにその時の状況では、ミルカ達へ同行するもできることはなく、悔しく悲しい思いをしていた。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、やはりというか特にミルカのことを心配していた。そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 絶対に力になるとミルカに誓っておきながら、そのミルカに差し迫る危機にやはり何もできない自分に怒りすら感じていた彼女ではあったが、ヴァリアスの「自分達にもできることは、これから何かあるはず」という言葉と、何よりミルカという人物が、その時に、彼女にも力を貸して欲しいと思ってくれていることを信じられた彼女は、ミルカの帰還の言葉を信じ、そして必ず、自身もその「希望」となることを改めて誓うのであった。 ナタフ 種族:ヒューリン 性別:男性 メインクラス:ウォーロード サブクラス:レンジャー 年齢:16 所属学部:使徒学部(戦闘) サブ学部:神学部 所属部:剣術部/射撃部 登場話:第二話、第三話、第四話、第六話、第七話、第九話、第十一話、第十二話、第十三話、第十六話 →NPCステータス 寡黙な性格だが、一流の傭兵を目指しているという少年。親を早くに亡くしており、力こそ自分の身を護るために必要なものであると語り、その「力」を身につけるためか、エルクレスト・カレッジの各授業には精力的に取り組んでいる。だが、いきすぎたところもあり、自分の身の負担の事をあまり考えない。決して悪い奴だと思われているわけではないが、どこか人間味を失うまでに日々を修練に費やす彼に、周囲は冷めた反応を送らざるを得ない。 第一話にて、4限目のオルランド寮に食事中の彼がいるらしいという情報を4人は得たが、会いに行くことはなかった。 第二話では、剣術部の部室にてやはり傍から見て危険なくらいに鍛錬に打ち込んでいるところを、眷属の花を探しに来たレシィに訪れられたが、その情報に心当たりのなかった彼は、そのことだけを伝えると、また鍛錬に戻ってしまった。 第三話では、ハートフルアンブレラ争奪戦において、ハナの仲間の一人として登場した。どうやら彼もまたハナに戦力になる仲間を探しているのだと頼まれ、それを意外とあっさり了解したらしい。シャルリシア寮の一行との戦闘に入ると、仲間の支援を受けてさらに強大な力となったミルカの魔法を前にして、どういうわけか自らの身を犠牲にしてでも、一番にシズナを守るという行動に出ており、また戦闘後もミルカに執着を残している様子のシズナをたしなめるといったことをしていた。どうやら、少なくとも彼にとってシズナは、何かしらの関係性のある相手であるらしいと見て取れる。 第四話では、デアスが訪れた後のジャックの自室に現れ、状況に戸惑うも、彼はジャックに「その身を人の子のためにささげる覚悟があるか」という問いをしてきた。ジャックがそれに対し、自分にできることで助けられることがあるのであれば、ということに加え、それが自分の自由意思によるものであると答えると、彼はそれに対し何かを感心したような様子を見せたが、多くは語らなかった。結局、その時の彼の目的は、その場ではわからずじまいとなる。 第六話では、シャルリシア寮の歓待パーティーに、同じ部活仲間であるサイオウと共にやってきていたようだが、すぐにサイオウからは離れ、彼はジャックの元へ赴き、祝いの言葉と乾杯を上げていた。以前の時以来、どうやらジャックには他者よりも興味を向けているようであり、その後、学園七不思議の謎を追い求めるジャックによって訪れられた時も、可能な限り協力する姿勢を見せるのであった。 第七話では、同じ部活の仲間であるヴァリアスから誘われたらしく、オルランド寮班としてキャンプ実習に参加していた。しかし、彼は相も変わらずキャンプ実習というより野外訓練に来たかのような行動を繰り返していたようだが、キャンプ最後の夜、フィシルが「愛の座談会」についての話をしていたのを聞いた彼は、それに何か思うことがあったらしく、突然ジャックの元を訪れ、戦いとは愛のために行うものでもいいのだろうか、と質問する。ジャックから得られた答えは、それもまた、個人個人の持つべき戦いの理由の一つだということであり、彼はその言葉がジャックから聞けたということに何か意味を感じていたようだった。 その後、失踪したレイスを探索する班が結成された時も、助力を請われたらしく彼はそれに参加していたが、終始感情を表情や言葉に出すことはなかった。それは、セイがドゥーラに罵倒された時さえ。 第九話では、レシィ達が見ているところでシズナと口論をしている形で登場した。この時、シズナはまるで内容をなるべく他の者に聞こえてほしくないかのように小さく聞き取りづらい言葉で話していたのに対し、彼はそれを全く憚らない様子だった。しかし、彼がしゃべった言葉は「それは違う」「今はただの生徒だ」「いつものお前ならもっと……」などといった断片的な言葉であり、それだけで内容を理解するには至らない。そして、最終的にシズナに振り切られてしまうのだった。 さらにその後、セイがいるという場所の前でなぜか何かを待つように立っていた。そこにやってきたミルカに対してシズナの居場所を聞いており、それを聞くとすぐその場を離れたため、おそらく彼女を待っていたのだと思われる。……そこにあった意味とは何だったのだろうか。 ちなみにその後、セイが結果的に大きな進歩をした遺跡探索実習においては、セイの事情を知る多くのオルランド寮生がその場に居合わせたのだが、彼は不在であった。 第十一話では「互いに信頼し合える者こそ真の力になるだろう」という言葉を聞いた後部屋を離れたジャックの元にタイミングよくあらわれ、同じ目的で集まったサーニャとエンジェと共に、明らかに危険そうなゴーレムを使用することにこだわっているデアスを諌めつつ、ジャックへシャルリシア寮のエルクレスト祭準備を手伝いたいということを申し出ていた。実際準備には精力的に参加し、随所でシャルリシア寮の助けとなれていたようである。 ……ちなみに、彼は元々校内の生徒たちにとって「頼むと意外と色々なことを引き受けてくれる」ということで有名であったが、今回に関しては頼まなくても彼自らジャック達の協力をしたいと進み出ていた。彼の中でのジャックへの、あるいはシャルリシア寮に対する関心が、実は深まってきているのかもしれない。 第十二話では、闘技大会予行を控えたジャックの前に現れており、マクール祭でのシャルリシア寮の展示がいいものであったと感心しつつ、もっと力になりたいとして、闘技大会予行のチームに加えてほしいと伝えに来ていた。そしてそれをジャックに認められると、続いて今度は何やら鍵のようなものをジャックへ渡し、ひょっとしたらいつか役に立つかもしれない、と意味深なことを言ってその場を去ったのであった。 ちなみに、その後開催された闘技大会ではミトとレシィのチームに加わっており、本来あり得ない剣と弓の二連撃を可能とする彼はアタッカーとして十分な能力を持っていた……のだが、ミトの存在故他のメンバーの範囲攻撃が炸裂し、彼が動く前に試合は終わってしまい、本人も自嘲するほかないのだった。……まぁ、いたしかたないのだが。 さらにその後、今度はジャックとラピスに何やら意味深な質問をしているシズナという場面に現れ、結局その意味を話さずに去ってしまったシズナの非礼を詫びるということをしていたのだが、彼もまた、そのシズナの真意について何やら知っていることがあるらしいながらも、それを明かそうとはせず、シズナと共に、シャルリシア寮チーム全勝の祝いには参加せずに行ってしまうのだった。 そしてリュミルの行動により、シャルリシア寮生達がバウラスの力を得た転送石で飛ばされてしまった後、そのリュミルがエルクレストを脱出しようとしていた際の会話、及び、シャルリシア寮生達が飛ばされた先の建物で発見した名簿のような石板によって、彼とシズナがリュミルの、ひいてはバウラスの仲間であることが発覚する。しかし、ナタフがジャックに渡した鍵は、シャルリシア寮生達が飛ばされた先で牢屋から脱出するのに役立っており、また、ナタフ自身も「計画」の実行を知らされていなかったこと、バウラスの言葉を聞くために、リュミル達と共に街の外へ向かう際、シャルリシア寮生の無事を願っていたことなど、彼がシャルリシア寮生にとって敵となってしまったのかどうかについては疑問は残った。 そして続く第十三話で、彼らの正体が「炎の使徒」というヒューリンにかつて下された神の使命に殉じようとする集団であることの仔細が判明したが、彼はついにその「炎の使徒」に残る者達と志を異にしてでもシャルリシア寮生を救う決意を決めており、また、それまで無価値と断じていた自身の命の価値を認め、自身の心に従って未来を求めることも決め、シャルリシア寮生を追う「炎の使徒」を懸命に説得しようとする姿が見られた。事の顛末は第十三話参照。 彼はかつて自分の命を捨てた。しかし、彼は非情になったわけではなかった。 なぜならそもそも、彼がバウラスの話を聞きヒューリンの使命を信じるようになったのも、自分の命が何かの役に立つというのならそれでいいという気持ちがあったからだ。 「炎の使徒」にはシズナやリュミルのような世界にも絶望をしてしまった人間が多く、その中では彼は少々異端ではあった。彼は討つべきといわれた敵にも非情になり切れず、迷わぬ瞳で進んだ人々と共に歩めぬこともあった。しかし、その頂点にいるはずのバウラスは、そんなナタフを一度も責めることはなかった。……このことに対する違和感が、彼にバウラスが炎の使徒となる人々を集めた目的が、彼にとっての仲間の結成ではなく、生きる場所を失った人々がせめて生きられる場を提供することだったのだと気づかせるきっかけであり、また、自分自身で誰を助け、どう助けていくべきかを決める権利があるのだろうかと考えるきっかけにもなっている。 シャルリシア寮生のおかげで、エルクレスト・カレッジでの学園生活のおかげで、自分の意思で生き、未来を求めていくことの意味を知った彼の人生は今、大きく変わった。 自身のいる場所を捨てたと言いながら、その実その世界に居場所を求めていた少女の気持ちを、真の意味で成就させるために、自身の周りにいる人々すべてを、自分含めて大切だと感じ、その全員で生きていくことで一番の未来を世界に表すために。 そのために確かな瞳で前を向く、彼の前途が祝福されるべきものであることを、願いたい。 ハナ・タウル・イヴィシル 種族:ヴァーナ(猫族) 性別:女性 メインクラス:エクスプローラー サブクラス:バートル 年齢:16 所属学部:使徒学部(探索) サブ学部:使徒学部(戦闘) 所属部:乗馬部 登場話:第一話、第二話、第三話、第四話、第六話、第七話、第九話、第十一話、第十三話、第十四話 →NPCステータス ヴェンガルド峡谷出身の元気一杯、前向きな性格の女の子。どうやらエンザに恋心のようなものを持っているようで、彼によって直接集められたというファムリシア寮のメンバーに対してうらやましく思っていたり、さらにその中でもミトやミルカといった女性達については、まさかエンザを狙っているのではないかということを勝手に警戒しているようだ。 彼女がエンザに恋をしている理由は、かつて邪神の祝福を受けた身であった自分を助けてもらったからだと彼女は語るが、そんな彼女の視線を受けると、何故かエンザは申し訳なさそうな顔をするという。 東方の国の騎兵用の竜を学内で飼っており、名前はオピオン。オピオンに乗って大地を駆け回るのが彼女のお気に入りで、授業の無いときは大抵一緒にいるという。彼女曰く、邪念のある人間には乗りこなせないとのこと。 第一話にて、エンザが見込んだ人物なら、とクレハに無条件で署名を渡したが、そこでナンパを計ってきたクレハに対して、顔はいいけど、あなたよりエンザ先生のほうがかっこいいし、軟派な男はよくないと思うと切って捨てた。 第二話ではメンファに手伝われる形で料理をしていたレシィのところに、その料理のおいしい匂いをかぎつけてふらりとやってきたのだが、レシィの瞳がかつて邪神の祝福を受けた者の証であることに気づくと、それまで平和的な態度から一変し、レシィにその力には飲み込まれないようにしろ、ということをもはや脅迫的に迫り、去ってしまうのであった。どうやら、邪神の祝福に対しては、かつて自分もそうであった、というだけではない確執のようなものが存在するらしい。 第三話ではシナリオのメインパーソンの一人であったが、彼女が(勝手に)ミトとミルカを警戒したため、シャルリシア寮の面々と同行する事はなく、逆に敵となって表われていた。劇中での彼女の行動については第三話を参照。その一件でリャナンシーに自分がエンザに抱いている恋心が真の恋ではないと指摘されたが、ダンジョン棟から去った後でも、彼女はそれを認めようとはしていないようだ。だが、そう主張する彼女の姿はどことなく空元気っぽく、また最近彼女は一人(もしくはオピオンと一緒)でいることが多くなっているという。彼女が一体何を隠しているのか、何を恐れているのか、それを知っているのは…… 第四話ではいまだそのショックから抜け出れていない様子の中クレハに出会い、エンザの過去という話題を通して、彼女自身の過去の断片を、クレハに語ることとなった。しかし、その心は未だに震えており、辛いなら自分を頼ってくれ、といわんばかりに歩み寄るクレハを拒絶し、その場を去ってしまう。彼女が最後に、たどり着くのはどこなのだろうか…… 第六話では、学園七不思議の謎を追い求めるクレハに訪れられる形で登場した。ハートフルアンブレラの一件のころよりは幾分明るい状態に戻ってはいて、クレハに自分の知っていることを話していたが、しかし、シャルリシア寮の歓待パーティーにはいなかったこともあり、まだ何かを引きずってしまっているようではある。 第七話では、キャンプ実習にオルランド寮班の一人として参加していた。この時の彼女は、思い悩み続けることから脱出しつつあったようで、フィシル主催の「愛の座談会」でも、エンザに対する恋心を堂々と生徒たちの前で告白するといった行動に出て、また前向きで元気な自分に戻ろうとしている姿を見せた。……だが、その姿は友人のメンファ達には祝福されていたものの、フィシルからはどこか、危ういものを見るような目線を向けられるのだった。 その後、レイスの捜索に出た先で起こった、セイの力が暴走したことによってドゥーラがあらん限りにセイを罵倒した件については怒りをあらわにし、セイをかばおうとするが、セイに彼女たちの想いが届くことはなく、セイは逃げるようにその場を去ってしまう、などのことがあったが、最後にユエルがレシィに隠していたことを語りたいと、ユエルがレシィやエンザに訴えかけた際、彼女もまた、その話を聞くように求められる。当然エンザの頼みを彼女が聞かないはずはなく、その場に残る彼女であったが、その理由は、ユエルの話が、レシィがかつて邪神の祝福にとらわれたことがあり、そして、それを救ったのがエンザであるということ。……その出来事が、かつて彼女達の集落にエンザがやってきた少し後の出来事であり、そこでエンザ自身が起こしたできごとがどれだけの業であるか、だが、それを背負いつつも、自分がどうしようとしているかを、彼女に伝えられればいいと、エンザが思ったからだという。それを聞いた彼女は、そもそも、エンザがいなければ今自分がこうしていることすらできなかったのだから、そうして気に病む必要もないと訴えかけ、エンザもそれに感謝の言葉を述べるも、これからその「業」についてをシャルリシア寮生達に語ろうとするエンザに、その場から去ることを勧められ、多少食い下がるも、彼女はそれに従っていたのだった。 この時のエンザのハナを見る表情は、常に晴れないものであった。それは、エンザが持つ彼女への罪の意識からであろうか、もしくは…… 第九話では、グゼー達との話し合いを終えた後のクレハを呼び止め、エンザの授業受講50回記念の贈り物を一緒に選んでくれと持ち掛けたのだが、プレゼント選びはどこか上の空であり、そのあとすぐ、以前(第四話参照)クレハが自分を支えようとしてくれたことへの感謝を告げた。そして、自分はもう大丈夫だとも。どうやら、こちらが言いたいことの本題であったようだ。 だが、自分は大丈夫と言いながらもその言葉はどこか自分にいい聞かせようとしているかのような重さがあり、クレハにとっては一抹の違和感を感じたかもしれない。もっとも、そういったことはこの直後、二人の間にメディが文字通り割って入ってきたことによってうやむやになるのだが。 その後はオルランド寮の探索実習に参加する形で再登場しており、セイのことを非常に心配し、ルイネーターだろうがなんだろうが恐れないから力になりたいと言っていただけあり、そのセイが実習にちゃんと現れた時には思わず抱き付いてしまうほど喜んだのであった。 最後に、セイがみんなへ感謝の言葉を述べた時にももはや泣き出さんばかりに嬉しさを表現していた。その後の、セイのことを色々と知ろうという話会にも積極的に加わっていたのは言うまでもない。 第十一話ではマナシエに乗馬部の出し物について聞かれていたところで、陸上部の休憩時間中だったクレハとアーゼスを発見し近寄ってきていた。最終的にはそこに部長とサイオウも加わったうえで、シャルリシア寮がエルクレスト祭の準備のため人手を必要としているという話になると、乗馬部の出し物もあるとはいえ手伝いくらいはできるはずと進んで申し出た……のだが、そう決意した狙いの一つにはあとでエンザに褒めてもらえるかもしれない、というのがあったらしく、黄色い声でかぶりを振る姿を見てマナシエは思わず「はいはい幸せだねー」と、感情のこもっていない言葉でスルーしてしまうのだった。 とはいえ、手伝いに来てエンザがいなければ仕事ぶりが落ちる、と言うことも特になく、持てる能力で十分にシャルリシア寮生達を助けていた。 ……なお、この第十一話の冒頭部分にて、エンザの夢という形で回想されていた場面の中では、「邪神の祝福」を受けてしまい迫害され、隠れ里に移り住まねばならなかったというヴァーナ達の代表として猫族の青年が登場しており、また、エンザの台詞ではその青年には妹がいて、その妹はエンザのことを信じ、薬を飲んで邪神化を払うことを決断したらしいことが言われていた。 以前、エンザは自身の罪を、交渉が決裂した結果、彼女の兄を含む人物を殺害し、その集落を破壊してしまったことだと言っていたが…… 第十三話では、バウラスの魔手より帰還し、何があったかをエルヴィラ達へと報告し、部屋を出た直後にシャルリシア寮生の元を訪れており、失踪したシャルリシア寮生のために学園を出たというエンザが今のどのような状態になっているかを直接聞きに来ていた。しかし、それを聞いたときからすでに蒼白だったその顔色、そしてラピスの情緒が突如揺らいだというだけで、エンザの身におこった最悪の事態をほぼ確信していたところを見る限り、どうやらむしろ、エンザが今も無事であるという予想はほぼしていなかったようだ。 この時、誰も話していなかったはずのバウラスの存在と名前、そしてエンザの死因にバウラスが絡んでいることに気づいていたのは、何を隠そう、彼女はかつて、「邪神の祝福」を持つ者達の隠れ里に住んでいた者の一人であり、あの時エンザと口論になり、最終的にバウラスに殺されてしまった、集落のリーダーの妹であるからである。さらにその後、彼女は自身を追ってやってきてくれたシャルリシア寮生達へ、まさに愛憎入り混じった複雑なその胸の内を吐露することとなった。 彼女は、自分を邪神の祝福から救ってくれたエンザのことが好きだった。しかし、その一方で、兄を、仲間を滅ぼされた悲しみと怒りは、行き場を失っていた。 本来ならそれは、手を下した張本人、バウラスにだけ向けられるべきものだったのかもしれない。しかし、エンザはあの時、バウラスが強行に走った責任は自分にあると、まるでバウラスをかばうような行動をした。そのことが彼女には理解できず、彼女の怒りはそんなエンザにも、実は向けられていた。 そしてもう一つ、彼女は実は確信していたことがある。それは、エンザがそのようにバウラスのことを気にかけようとし続けるのであれば、いつかきっと、バウラスがエンザを滅ぼす日が来るだろうということである。何故なら、いくら心が荒み切っていたとはいえ、彼女の親しい人々を一瞬で無慈悲に滅ぼし、そして何の慈愛もなく去って行ったバウラスという存在は、彼女にとっては……いや、人びとにとっては、決して近づいてはならない兵器のような存在にしか思えなかったからだ。 この、二つの心の中の真実を、しかし彼女は表に出さなかった。……それどころか、そう思っていることを自分自身からすらも隠そうとしていたのだ。彼女は、エンザを慕う気持ちと怒り、粛清を望む気持ち、その二つが同居していることに向き合えず、その片方を封印してしまった。 しかし、見たくないものから目をそらし続ける。それで全てがうまくいくはずはなかったのだ。 彼女はずっと、無理をしてきた。その違和感を、フィシル等一部の人間には見抜かれており、そうした人々から暗に、あるいは直接的に指摘されるたび、彼女はさらに自身をごまかそうとしてきた。そんな自信を偽り続ける彼女には、エンザも何をしてあげるべきなのかがつかめずにいた。彼女をそうしてしまったのは、エンザ自身のせいでもあるのだから。……彼女の心はいつも晴れやかで明確のように見えながら、その実、時を経るごとに欺きを重ねていたのだ。 そして、エンザがバウラスに出会って。そしてエンザがバウラスの道を阻み、殺されてしまったことを確信した時。自身の心にあふれた怒涛の悲しみの中に、自身の怒りが満たされた感覚をまぎれもなく感じてしまった時、彼女がそれまで積み重ねて来た偽りの重ね塗りが、どれだけ無意味であったかを彼女自身は知ってしまった。そして、その無意味を重ねて来た自分に与えられたのは、ついに、エンザに救われて以来一度も、自分の本心からの言葉を交わすことはできず、ついに本当は想定していた通りの結末がエンザに訪れてしまったのだという事実……罰であるように、彼女は感じていた。 本当は知っていた。エンザという人物がどういう存在であるか、深く知っていくたびに。 あの時救われてから、集落を移して過ごした数年間の間はともかく、自身を救ってくれた人がエルクレスト・カレッジにいると知って、こちらにやってきてからは、エンザという人間がやはり優しく、いつでも誰か他人のことを考えてくれている存在であることを確信するには十分すぎる機会があった。 だから、自分がまだ、エンザがあの時バウラスをかばったことの。兄たちの死の原因が、エンザにあると言ったことへの怒りが。そしてその報いが、いつかエンザに降りかかるはずだという彼女の中の真実を語ったとしても、エンザはそれを許し、彼女の気が済むまでそれと向き合ってくれるだろうということは気づいていた。だが結局、自身の負の感情を封印してしまった彼女は、そうすることはなかった。 そんな自身の愚かさが、弱さが、そして好きだった人に何もできず、そのまま失ってしまった悲しみが、彼女をもう立ち直れないほどの絶望へと陥れていた。誰もがその絶望に踏み込み、彼女の感情を更に崩壊させてしまうことを躊躇する中、そこへ手を差し伸べたのはラピスだ。 例え何が許せなくても、今は出口が見つからなくても。進んでいくことは、自らを許す道につながっていくはず。ラピスの師匠からの言葉を伝えられ、ラピス達の、苦しむハナを許してあげたいという気持ちに触れたハナは、まだ弱くではあるが、それに頷くことができたのである。 誰だって自分を許せないと思う事や後悔することがあり……しかし、それでも進んでいく。生きていくのだろうと、そう思うことはできた。 それでも今は泣くことしかできない。そんな彼女を受け入れてくれるラピスに、彼女は深く感謝したのである。 そして続く第十四話では、ラピスが魔術を放つ精神力を維持するため、生命力と引き換えに精神力への負担を減らす指輪を取り寄せ、眺めていたところに出くわす形で登場し、その指輪が危険なものなのではないか、ということについてを話しあうのであったが、自分が弱くては、誰も守ることができないというラピスの言葉を、彼女は覆すことができなかった。……ラピスは今、その身を心配している自分の……いや、自分達の思いを、聞いてくれていないのではないかと思ってしまったから。 もしラピスが、本当にそうすることが、ラピス自身を含めたみんなを生き残らせるための力になると。……あるいは、自分のこと守ってくれる人がいるからと、ちゃんと答えてくれるのならそれでよかった。しかし、そうではなく、ただ自分を度外視した空っぽの表情で言われた言葉では、納得などできないと彼女は思った。……それはまるで、今ラピスを心配して発している自分の言葉を、全て無意味にしているようだから。 しかし、これから実際に、その体で戦っていかなければいけないラピス達の下した決断に、それ以上踏み込むことができるかどうか、彼女はわからなかった。だから彼女はラピスがその指輪を使うことにそれ以上反対はしないのだったが、ただ最後に、ここで自分から、その身を案じて声をかけられたという事を。……人々が、ラピスの身を案じてくれているという思いを、忘れてはいけないということを叫びかけたのだった。 その後、特別教導実践部を救出して帰ってきたシャルリシア寮生が、改めてエルヴィラ達に出発の意思を答え、部屋から出てきたところに、前と同じように現れたのだったが、その顔色は悪かった。……どうやら、ラピスとの会話で少し落ち着いてはいたものの、シャルリシア寮生がこれから脅威に向けて旅立っていかなければならないことを改めて考えた時、彼らまでもがいなくなってしまうのではないかという不安に耐えきれなくなってしまったようだ。 だが、彼女のその行動は、思えばあの時のラピスとの会話による、成長のあらわれであったのかもしれない。彼女は、例えエンザがシャルリシア寮生が進むことがすべてを救う希望になると言っていたことを知っていても、その言葉を信じ切れなかったこと。エンザと同じように、シャルリシア寮生が無残にその命を失ってしまうのではないかという不安をぬぐいきれなかったことをさらけ出し……それを、シャルリシア寮生達に伝えていた。 そんな彼女の不安と弱さを、その弱さがもう進むことを決めた自分たちを引きとめようとしたことを、ラピスは、シャルリシア寮生は認め、許した。その時、彼女はやはり、ちゃんと自身の醜さと向き合うことができるなら、それを許し、支えてくれる人が大勢いることを真に信じることができた気がして……もう二度と、エンザの時のような愚かさや悲しみを、自分は繰り返さなくて良いのだと思えた気がして、ただ心から感謝していた。 そして、彼女もまた、シャルリシア寮生を送り出す決意をする。他の人々と同じく、大切な人々が、ともすれば絶望に変わるかもしれない未来への道を歩んでいく。それを見送らなければならない恐怖を乗り越え……シャルリシア寮生がその道を進んでいくことに意味があることを信じたのだ。 ルシャ・カザマギ 種族:フィルボル 性別:女性 メインクラス:ソーサラー サブクラス:ニンジャ 年齢:12 所属学部:使徒学部(探索) サブ学部:魔法学部(精霊) 所属部:オカルト研究部 登場話:第一話、第二話、第六話、第九話、第十三話、第十六話 生まれた部族の事情で、物心ついたときにはすでに、場合によって様々な人物に仕え、忍びの任務についていたという少女。だがある日突然、彼女のいた部族で反乱が起こり、それまでの闇の一族的な立場から一転、彼女は自由を手にする事となった。 しかし、物心ついたときから誰かに仕え、任務をこなし続けていた彼女にとって自由とは相当に持て余すものであり、これから自由だから何がしたいか、と聞かれても何も答えることができず、それならまずは学校に行かせてあげよう、どうせならいいところに、と周りに言われるがまま、気づけばエルクレスト・カレッジの学生になっていた。だが、そこで彼女が自分の自由を謳歌できるようになったわけでなく、彼女は今までの自分の環境とは余りにも違う状況に慣れることができないままだった。 だが、そうこうしているうちにアルヴィンに出会い、彼が冗談で言った「忍者なら情報収集なんてお手の物だよな?」という言葉に、自分の能力を必要としてくれる者が現れたと感じた彼女は、彼が主君となり、自分を使役してくれることを求めたのだった。その反応に初めは面食らったアルヴィンであったが、彼女の事情を理解すると、ならば存分に、とばかりに彼女を舎弟に置き、その能力を持って自身の情報網を拡大させているようである。 アルヴィンと知り合った後、たまたま知ることとなったオカルト研究部に興味を持ったらしく、入部している。自分では知りえない様々なオカルト知識を持つジェスには尊敬の気持ちを持っているようだ。 第一話において、4人が署名活動をするために情報が必要だと判断したアルヴィンによって呼び出されている。彼女はアルヴィンの命であればその是非を考える事はほぼないらしく、彼に言われるままに署名し、4人に各学生寮にいる人物についての情報を送るのだった。 第二話では、突然にアルヴィンの部屋を訪れに来たレシィを曲者と勘違いし、どこからともなく現れて彼に刃を向けており、どうやら普段から主君たるアルヴィンの身辺を警護しているらしい。その後は、またアルヴィンに命じられるとおりに、シャルリシア寮の情報収集に協力した。 第六話では、「歩く人体模型」の謎に彼女がかかわっているらしいという推測を立てたシャルリシア寮からミルカがやってきて、それについてを聞かれている。すると、以前オカルト研究部で行われていた、ダンジョン棟を利用した肝試しにおいて、彼女がその怪異に立ち会っていたことがわかり、さらに彼女はその噂をミルカから詳しく聞くと、その人体模型がなぜか未だに学内にいる可能性を突き止めるといい、調査を始める。 そしてその夜、実際に人気のない建物内でその人体模型が動いていることを突き止めた彼女は、事情を知るシャルリシア寮生たちに、自分がその人体模型が逃げないように結界を維持している間に、人体模型を無力化するようお願いをした。その顛末については第六話内の「歩く人体模型」の顛末の欄を参照。 ちなみに、彼女が初めてその人体模型に出会ったというダンジョン棟での肝試しの時は、人体模型はかなり直接的に人を襲いに来ており、一般生徒がこれに巻き込まれれば最悪の結末が予想しうる事態となっていたのだが、常人を超える能力を身に着けていた彼女にとっては何ら脅威とはなっていなかった模様で、その時も非常に速やかに事態を収拾していた。ただ、そのようになっていたせいで、彼女自身、これがオカルト学部の肝試しの一環なのかと判断しかねていた時期もあったとか。 第九話では主であるアルヴィンが参加していたこともあってか、オルランド寮の遺跡探索実習に参加していた。普段護衛に徹するためかほとんど人前には出てこない彼女だが、最近では人づきあいというものを覚えて来たらしく、セイにかかわるオルランド寮生達の歓迎や喜びの意思には同調し、その輪に加わっていく姿が見られた。ようやく、一学生らしくなってきたのかもしれない。 第十三話では、犠牲を払い、様々な苦難を受けて帰還したシャルリシア寮生達を心配して、また現状の確認がしたくて集まる生徒たちの一人としてシャルリシア寮を訪れており、そして様々なことを語らいあう中で、シャルリシア寮生達の中に魔族が存在するという衝撃の事実を知る。 彼女にとって守るべき相手は本来主君としたアルヴィンのみであるものの、学内の様々な人間を救い、そして人を変えて来たシャルリシア寮生達には信頼にも似た感情は芽生えていたようで、これからさらに旅立たなければいけないシャルリシア寮生に対し、何かするべきことが自分には浮かばずにいることを申し訳なさそうに言うのであった。
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オルランド(2) ローマ教皇の系譜に登場する人物。 関連: ルキウスサンセイ (ルキウス3世、息子)
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シャーリィ・ドルフィン シャーリィ・ドルフィンとは動物類に属する種族のひとつ。 概要 シャーリィ・ドルフィンは明るく透きとおるように綺麗な春草色をしたイルカの動物 悪戯好きの遊び好き、好奇心いっぱい。 体長3mは弱。好物はシャーリィ・レタス。 登場シナリオ ラッドシティ編シナリオ“シャーリィ・ドルフィンの挑戦” 関連項目 動物類 生態系
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